不整脈治療の入院~退院の流れは?

カテーテルアブレーション治療やデバイス治療の手術時間、入院期間は? 費用は? 保険は使えるの?といった入院や治療で気になるポイントをまとめました。
さらに、退院後の生活で気をつけたいことや再発予防に役立つことについてもご紹介します。

【ご注意】
本サイトは医師の監修により制作しておりますが、スケジュールや費用はあくまでも一般的な目安となります。患者さんの体調や不整脈の種類などによっても異なりますので、詳しくは主治医とご相談ください。

手術時間・入院期間

カテーテルアブレーション治療やペースメーカなどによるデバイス植込み手術の一般的な手術時間・入院期間は、次のとおりです。不整脈の状態やデバイスの種類によっては、入院期間がさらに長くなることもあります。

治療費と健康保険・高額療養費制度

一般的な治療費の総額は、次のとおりです。

治療費・健康保険・高額療養費制度

保険適用により自己負担額は1 ~3割になります。さらに、 健康保険には、一定の自己負担限度額を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。事前に手続きしておけば、自己負担限度額の支払いのみで済み、10万円以下程度まで負担を軽減できます。詳しくは、病院の医事課や加入されている健康保険組合などにお問い合わせください。

入院~退院の流れ

■カテーテルアブレーション治療

<入院>
治療の1~3日前に入院して、採血、心電図検査などの事前検査を行います。
飲んでいる薬を中止または変更することもあります。
<カテーテルアブレーション治療>
局所麻酔または全身麻酔をしてからカテーテルで心臓内の詳しい検査を行い、治療する位置を特定します。その後、心臓内の組織を治療します。
  1. 局所または全身麻酔
  2. カテーテルを挿入
  3. 治療する位置を特定
  4. 心臓内の組織を治療
  5. 治療効果を確認
  6. 止血と安静
<退院>
異常がなければ治療の翌日から歩くことができ、経過に応じて数日後に退院となります。
リハビリを頑張る老夫婦
 

■デバイス治療

<入院>
治療の1~3日前に入院して、採血、心電図検査などの事前検査を行います。
必要に応じて飲んでいる薬を中止または変更します。手術後の感染予防のために、抗菌薬を投与することもあります。
<デバイス治療>
局所麻酔または全身麻酔をしてから、胸部または腹部を切開してデバイス本体を入れる「ポケット」を作ります。その後、リード(導線)を心臓の中に挿入して本体と接続し、「ポケット」に本体を埋め込みます。
  1. 局所または全身麻酔
  2. 胸部または腹部にデバイス本体を入れる「ポケット」を作る
  3. リード(導線)を心臓の中に挿入して本体と接続
  4. 本体を「ポケット」に埋め込む
  5. デバイスの作動を確認
  6. 縫合と安静
<経過観察>
治療後2~3日は植込み手術を行った側の腕を固定することがあります。また、植込み部の傷の管理を行い、退院前にデバイスの作動を確認することがあります。
<退院>
治療後1週間程度で退院となります。

治療後の生活で気をつけたいこと

■カテーテルアブレーション治療後

治療後は定期的に医療機関を受診し、症状が治まっているかを確認します。一定期間、抗凝固薬を服用する場合もあります。日常生活では散歩程度の運動は問題ありませんが、より活発な運動については主治医と相談して行いましょう。

また、再発した場合は、カテーテルアブレーション治療が再度必要になることがあります。

■デバイス治療後

治療後は定期検診を行い、心臓の状態やデバイスが正常に作動しているかを確認し、必要に応じて調整します。その際、デバイスの電池の残り具合も確認して、一定の量を下回った場合には交換手術も検討します。

日常生活では適度な運動や入浴、旅行は問題ありませんが、デバイス本体やリード(導線)にダメージを与えないように気をつけることが大切です。また、電気機器が発する電磁波がペースメーカや植込み型除細動器(ICD)の作動に影響をおよぼし、場合によっては失神などを起こすことがあるので注意が必要です。

ベンチでゆっくりしている老夫婦