前立腺肥大症通信 No.1
あの魯山人も悩んでいた
中高年であれば気にとめたい前立腺肥大症とは
晩年の魯山人を悩ませた病気、前立腺肥大症とはどんな病気?
1. 前立腺肥大症の患者
現在、日本では39万8千人の患者がいると推計されています(平成14年・患者調査)。その多くが50歳以上の方ですから、隠れた中高年の病気といえます。この病気と診断された方でなくとも、50歳以上の男性のうち、5人に1人は前立腺肥大症の傾向があると考えている医師もいます。
2. 前立腺肥大症の主な症状
魯山人のような夜間の頻尿のみならず、日中の頻尿の場合も前立腺肥大症の疑いがあります。前立腺肥大症には以下のような症状が現れます。
- 尿が出にくい、勢いがない、時間がかかる、残尿感がある。血尿。
- 回数が増える(1日あたり8回以上)、夜間に何度もトイレに行く。
- がまんできない、尿を漏らしてしまう。
3. さらに病気が進行すると…
2の症状を長期間放っておくと以下のような病気に至る場合もありますので、注意が必要です。
- 尿道炎・膀胱炎・膀胱結石
- 腎盂腎炎
- 腎機能障害
前立腺はどこにある?その位置と機能
前立腺は直腸の前、膀胱のすぐ下で、尿道の周りにある栗の実ほどの大きさがある臓器です。前立腺の機能としてはまだ詳細に解明されてはいませんが、精液の成分である前立腺液を分泌しています。
天皇陛下のご病気により、近年、注目を集めた前立腺がん。歌手の故・三波春夫さんもこの疾患でお亡くなりになりましたね。前立腺肥大症と同じような症状が前立腺がんにも見られますので、誤解されやすいのですが、全く異なった病気です。
前立腺肥大症は内腺と呼ばれる内側の尿道に近い部分が肥大化する病気です。一方、前立腺がんは内腺より外側の外腺と呼ばれる部分の細胞にがんが発生するものです。ただし、日本人男性にとってこの前立腺がんは近年、増加の一途を辿っていますので、中高年の方は注意が必要です。
監修:
国際親善総合病院 院長
村井 勝先生