心臓突然死

心臓発作を起こした場合、心臓突然停止(SCA)のリスクがあります。VF に伴う異常な電気信号により拍動が非常に速く不規則になると心臓突然停止が起こり、全身に送り出される血液量が非常に少なくなります。心臓から全身に血液が十分に行き渡らなくなるため、ほとんどの場合、突然意識を失います。SCAを治療せず放置すると、心臓突然死(SCD)に至る場合があります。この種の不整脈を止める唯一の方法は、除細動器で電気ショックを与えることです。

リスク因子

多くの場合、心臓突然停止の明白な症状が見られないので、そのリスク因子に注意を払うことが重要です。 
  • 以前に心臓発作を起こしたことがある
  • 心筋のポンプ機能が低下している
  • 心室の心調律が異常に速い
  • 家族に心臓突然停止または心臓突然死で亡くなった方がいる
心臓突然停止のリスクを早期に確認しておくことが、予防の鍵となります。リスクがある場合は、担当医師にご相談ください。 

心臓突然停止リスクの識別

担当医師は、心臓突然停止のリスクを評価するため以下の検査を行う場合があります。 
心エコー検査:心エコーは心臓の駆出率を測定する検査です。駆出率から心臓のポンプ機能がわかります。この検査は超音波を使い心臓の動きを診ます。検査結果に基づき、担当医師は他の検査を行う必要があるかどうか判断します。
ホルターモニタリング:ホルター心電図と呼ばれる体外式モニタを一定期間装着し、不整脈をはじめとする心臓の電気的活動をモニタに記録します。担当医師は記録を解析し、異常な調律があるかどうか判断します。
 
電気生理学的検査(EPS):心臓の電気信号の種類を識別し測定する検査です。この検査の際に担当医師はカテーテル(細くて柔軟な管類あるいはワイヤ)を心臓に挿入し、心臓内の電気信号を記録します。また、担当医師はカテーテルを使い心臓を刺激し、不整脈が発生する可能性があるかどうかを検査します。この検査で、異常な心調律があるかどうかとその原因の識別を可能にします。
また、心調律を治療するための薬物の特定や植込み型機器の効果を判断することができます。担当医師はこれらの結果から、疾患にあった最良の治療方針を決めることができます。