心臓自体のペースメーカ
通常、これらの電気信号は洞房結節と呼ばれる、心臓内の小さな領域から出ています。この領域は心臓の右上の部屋、つまり右心房にあります。洞房結節から右心房と左心房に信号が送られると両心房が同時に収縮します。心房の収縮により、その下にある右心室と左心室に血液が満たされます(図2)。電気信号が心室に送られると心室が収縮し、全身に血液を送ります。心拍として感じられるものが、心筋(心室)の収縮です。少し間隔をあけて一連の心拍の活動が繰り返されます。
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心不全、不整脈とデバイス
心室頻拍
心室細動
心房細動
心房細動の種類
徐脈
心不全
このような身体が必要とする血液や酸素を、心臓が効率的に送り出せなくなる状態が心不全と呼ばれています。心不全が起こると息切れや疲労を感じ、頭がくらくらしたり、あるいは失神することもあります。多くの場合、心不全とその症状を治療するために薬物を内服します。しかしながら、より効率的な拍動に戻すためCRT-D システムを必要とする場合もあります。
心不全、不整脈とデバイス
デバイスの役割
デバイスは心調律に何らかの異常が生じたときに備えて監視と治療を行うように設計されており、これらの異常に伴うリスクを大幅に低減します。
以下に、いくつかの種類の不整脈について説明します。担当医師に発生する可能性があると診断された不整脈の種類を記録しておきましょう。
心室頻拍
心室細動
VF が起こると、心臓から全身に送られる血液量が非常に少なくなります。心臓がVF 状態になると、すぐに意識を失います。VT と同様、VF は除細動器で治療することができます。除細動器から電気ショックを心臓に送ることで異常な信号をとめることができます。そして、洞房結節からの信号が再開されることにより、心臓が正常な調律に戻ります。
心房細動
心房細動の種類
心房細動(AF)には3 種類あります。AF の診断を受けたら、デバイスを用いてどのように心房性不整脈を管理ができるか、担当医師より説明があるでしょう。診断されたAF の種類を記録しておきましょう。
発作性AF(心房細動)
発作性AF の場合、発作時以外心拍は概ね正常です。AF の発作に襲われたら、治療しなくとも自然に治まりますが、再発することがあります。
持続性AF(心房細動)
持続性AF の場合、AF の発作はより頻繁に起こります。また、発作性AF より発作時間も長引き、自然に停止しない傾向があります。この不整脈は薬物療法で治療できることもあります。
また、体外式除細動器による電気的カーディオバージョンを用いて異常な信号を停止させ、心臓を正常なリズムにすることも多くあります。心房治療用CRT-D も、正常な心拍を維持する療法を行うことができます。
永続性AF
永続性AF の場合、発作性AF や持続性AF とは異なり、心臓が常にAF の状態で、自然に停止することなく、カーディオバージョンにも反応しません。