この方法は、ERCP(内視鏡的胆・膵管造影法)検査の延長線上にある治療方法です。

1. 十二指腸用の内視鏡を口から挿入し、食道、胃を通して目的の乳頭まで進め、乳頭を観察します。(図1)

 
2. カニューラと呼ばれるチューブ状の機器を通し、造影剤を胆管及び膵管に注入して造影します(図2)。造影検査では、胆・膵管内の状態が確認できます。胆管結石の検査では造影剤のない円形の影を示すため、結石の場所や大きさの特定が可能になります(透視画像1)。
 
3. 胆管結石を確認後、十二指腸乳頭を専用の電気メスで切開します。石の大きさによって切開する範囲は異なります(図3、内視鏡画像1)。  
 
4.  結石が小さければ通常バスケットカテーテルで結石を把持して十二指腸内へ引き抜きます(図4、内視鏡画像2)。大きな石の場合は機械式砕石バスケットで結石を破砕して細かくした後採石します。
 

5. 当院の例では総胆管結石のおよそ80%が通常バスケットで採石できています。

6. 結石が大きく胆管内に嵌りこんでいる場合や、高齢の方で何度も内視鏡的治療ができない場合には、胆管にチューブを入れて様子を見たり、体外衝撃波(ESWL)や胆管内視鏡下に結石を破砕する方法(PCS+EHL)もあります。