診断方法

胆嚢結石の診断には腹部超音波検査(エコー)や腹部CT検査が行われます。一方、胆管結石の診断には腹部超音波検査(エコー)、CTに加えて、MRIによるMRCPや、内視鏡的胆・膵管造影法(ERCP)が必要となり、場合によっては、皮膚・肝臓を通して胆管を刺して造影する経皮的胆管造影(PTC)と呼ばれる方法で診断が行なわれます。
最近では、検診で行なわれるエコー検査で症状のない胆嚢結石が見つかる場合が多くなっていますが、胆嚢壁に異常のない胆嚢結石は経過観察を行なうことが多くなっています。

腹部超音波検査(エコー)

お腹にプローブと呼ばれるものをあて、プローブから超音波を出し、お腹の中を観察する検査です。
非常に安全な検査でこれといった副作用もありません。
腹部エコーでは、肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓、大血管等の様子を観察することができ、胆道結石はまずこれで発見を試みます。
CTと比べて血流との関係などの情報は多く、経時性も分かりやすい事が特長です。 

腹部CT検査

専用の装置(CT装置)の中心にある大きな穴に体を入れ、エックス線を当てて、体の断面画像を得る検査です。
身体を1㎝や5㎜区切りでどんどん輪切りにして、その切断面の画像で診断をします。
肝臓、脾臓、膵臓、胆道、消化管、腎臓、子宮・卵巣、など多種多様の検査が行なわれます。 

MRI検査

CT検査と同様に体の断面画像を得る検査ですが、CTのようにエックス線ではなく、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像化する方法です。
CTとは性質が違う為、お互い得られない情報が得られますが、MRI検査は一般的にCTと比較して検査時間が長い等のデメリットもあります。 

内視鏡的胆・膵管造影法(ERCP)

  1. 十二指腸用の内視鏡を口から挿入し、食道、胃を通して目的の乳頭まで進め、乳頭を観察します(図1)。

  2. カニューラと呼ばれるチューブ状の機器を通し、造影剤を胆管及び膵管に注入して造影します(図2)。造影検査では、胆・膵管内の状態が確認できます。胆管結石の検査では造影剤のない円形の影を示すため、結石の場所や大きさの特定が可能になります(透視画像1)。