大腸内視鏡治療について
治療を受ける前に注意すべきこと
- 大腸内視鏡治療を安全に行うためには、障害となる便などを完全に除去しなくてはなりません。水溶洗浄剤(ニフレックなど)を2ℓ飲用します。不十分な場合は洗浄剤を追加で飲用します。
また、治療数日前からキノコ類や野菜などの消化されにくいものなどの摂取を控えることが必要です。
- 心臓や脳などの病気でワーファリンなどの抗凝固薬を服用している方、不整脈で埋め込み型ペースメーカーを使われている方は必ず担当医師に相談して指示に従って下さい。
- 治療後に生活の制限を必要とします。スケジュールを立てるときには、注意してください。(後述)
内視鏡治療の実際
ポリープ切除術(ポリペクトミー)
内視鏡的粘膜切除術
前述した腸の壁の5層構造のうち粘膜下層部分に局注針を用いて生理食塩水などの液体を注入(局注)し病変を下から盛り上げます。つぎにスネアを正常粘膜も含めるように掛けて絞めてから、通電させ焼き切ります。局注する目的は、スネアを掛かりやすくすることと止血の効果が得られるからです。
スネアには病変の大きさに合わせて様々の円の形や大きさがありますが、この治療では一般的には2cm程度まで病変は一回で切除可能です。条件が良ければ4cm程度までは切除できることもありますが、大きな病変に対しては同様な手技を繰り返して行う分割切除も行うこともあります。この場合は病変の取り残しが無いように注意しながら切除する必要があります。
また病変が大きくなるほど治療後に出血や腸に穴が開く(穿孔)など合併症の危険性が高くなりますので、合併症を防ぐために切除後に縫い合わせることもあります。
ホットバイオプシー
治療後の留意点
治療後の診断
この結果により内視鏡治療だけで十分であったかどうかの判定がなされ、必要性があれば再検査や追加治療の判断がなされます。病理診断は今後の方針にも関わる非常に重要なものです。