口から食事がとれない人でもPEGを用いれば、おなかの口(胃瘻)から十分な栄養補給が可能。鼻からの栄養補給に比べて、吐いたりムセたりしにくくなるので、肺炎(誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん))になる危険性も減り、口から食事をとる訓練もしやすくなります。外見的にも目立たないため、患者さんはもちろん、ご家族や介護に携わる方の心理的負担も軽減。不快感も少ないので、自分で抜いてしまう心配も少なく、在宅、施設での管理もしやすいのが特徴です。
鼻からチューブを入れる方法(経鼻胃管栄養)との違いは?
従来の経鼻胃管による栄養注入は、患者さんの苦痛、重症感はもとより、その管理の難しさがあげられます。例えば、頻繁にチューブを交換しなければならないこと、チューブが抜けやすいこと、などです。
これに対しPEGは、異和感が少なく、患者さんがチューブを抜く危険性が減り、患者さんの苦痛が少なくなります。また、胃瘻チューブが入っていることが目立たず、服を着れば外見からは全く分かりません。
中心静脈栄養は、鎖骨の下の血管にカテーテル(細いチューブ)を入れたままにして12~24時間かけゆっくりと栄養を投与する栄養摂取方法です。操作を清潔な状態で行なう必要があるので在宅管理が困難。また、数カ月にわたり血管を介して栄養注入を続けていると、本来機能するべき消化機能が失われてしまいます。その点、PEGによる栄養注入は、普通の食事と同じように胃腸を使うので、ケアの基本を守っていればトラブルの危険も少なく、ご家族や介護者の負担は緩和されます。