ほとんどの場合、無症状であるため、“サイレントキラー”といわれています。

1. 頚動脈

頚動脈が狭くなると脳卒中になる可能性が高くなります。 

5~10万人の頚動脈狭窄症患者がいるといわれています。下肢PAD患者の26-50%が頚動脈狭窄を持っているといわれています。冠動脈疾患と併発していることも多くあります。

症状:ほとんどの場合は無症状ですが、放置しておくと脳卒中を発症する可能性があります。 

2. 腎動脈

腎動脈が狭くなると 高血圧、心不全、肺水腫などの 原因になることがあります。 

5~10万人の腎動脈狭窄症患者がいると言われています。下肢PAD患者の23-42%が腎動脈狭窄を持ってるといわれています。腎動脈狭窄患者は一般の人と比べると3.3倍の死亡リスクがあるといわれています。

症状:ほとんどの場合は「無症状」ですが、くすりを飲んでも下がらない高血圧や、心不全、肺水腫などを起こすことがあります。

3. 下肢動脈

下肢動脈が狭くなると歩きづらく なってきたり、足に痛みを感じたり、 足の傷が治りづらくなります。 

25~30万人の患者がいるといわれています。冠動脈疾患、脳血管疾患と併発することが多くあります。また、下肢PAD患者の5%が脳梗塞を発症するといわれています。

症状:ほとんどの場合は「無症状」ですが、下肢PADでは以下のような症状を起こすことがよくあります。

  1. 足に、シビレや冷たい感じ、重さを感じる
  2. 歩くと足が痛い、しばらく休むと直る
     ⇒間歇性跛行(かんけつせいはこう)といいます。
  3. 常に足に痛みを感じる
  4. 足の皮膚の色が変わる
    足に傷ができると治りが遅い
     ⇒重症下肢虚血(じゅうしょうかしきょけつ)といいます。