PAD:Peripheral Artery Diseaseは末梢動脈*1疾患とよばれ、足や頭、腎臓などに血液を送る末梢動脈が狭くなり、血液が流れにくくなる病気です。
この病気は、全身の動脈硬化を伴うことが多いので、PADになると心筋梗塞や脳卒中などを起こしやすくなるという危険性も高まります。
PADの恐ろしいところは、ほとんど無症状のまま病気が進行してゆくこと。そして一旦症状が出始めると完治が難しいという怖い病気なのです。
ですので早めに検査を受けて、病気を認識することがとても大事となります。
無症状以外の代表的な症状: 歩くと足が痛い、しびれる。少し休むと直る。一時的に意識がなくなったり、めまいがする。くすりを飲んでも下がらない高血圧や心不全等があります。
*1 心臓の血管や脳の血管を別にした、全身の血管(動脈)を末梢動脈と呼びます
PADは同じ動脈硬化性疾患である脳血管疾患・冠動脈疾患*2と併発することもあります。
PADでは半数以上が脳血管疾患や冠動脈疾患を合併しているという報告があります。
*2 冠動脈=心臓に血液を送る血管
PADが原因で亡くなる方は多くありませんが、全体の死亡リスクを高くすることがわかっています。軽度のPADで2.5倍、重度のPADでは5年間で半数の方が亡くなっています。その多くの原因は脳血管疾患や冠動脈疾患などの心血管病です。
PADの罹患率は年齢とともに上昇します。65歳以上の方は特に血管診断をおすすめします。
高齢であったり、生活習慣病をお持ちの場合、動脈の内側にコレステロールなどが溜り、動脈硬化になることがあります。動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳卒中などの危険が高まることが一般的に知られています。その動脈硬化が手や足の血管で起こること=PADです。