心臓突然死とは

心臓突然死とは、健康だと考えられていた人が、突然に致死的心室性不整脈(心室細動など)に見舞われて、この不整脈が原因で心臓が正常に収縮することができなくなり、脳に血液が循環せず死に至る疾患です。日本においては、心臓突然死によって年間約6〜8万人が亡くなっております*¹。

*1 不整脈非薬物療法ガイドライン(2024フォーカスアップデート版)

心房細動 心室がけいれんし血液を送り出せない状態

原因と症状

心臓突然死には様々な原因が知られていますが、その中に遺伝性の不整脈疾患があります。よく知られているものは、先天性QT延長症候群とブルガダ症候群で、血縁者(親兄弟だけではない)が心臓突然死している場合が多いです。これらの疾患では、心電図に異常が見られますが、心臓の筋肉や血管には異常が見られず、何の自覚症状もありません。しかし残念なことにこれらの疾患を持っている場合には、突然に致死的心室性不整脈を発症して死亡する可能性があります。従って、これらの疾患の診断がついた場合には心臓突然死を予防する必要があります。また、致死的心室性不整脈に襲われて九死に一生を得た場合には次の発作に備えることが重要です。

リスク因子

ほとんどの場合、心臓突然死(SCD: Sudden Cardiac Death)は事前に症状が現れないため、考えられるリスク因子について認識しておくことが大切です。

  • 以前に心臓発作を起こしたことがある
  • 心筋のポンプ機能の低下
  • 心室の心調律が速い
  • 家族に心臓突然死で亡くなった方がいる

心臓突然死のリスクを早期に確認しておくことが予防の鍵となります。リスクがある場合は、担当医師にご相談ください。