食道バルーン拡張術に期待される効果と成績について
食道バルーン拡張術に期待される効果と成績について
当病院(静岡県立静岡がんセンター)の成績では、拡張回数は様々ですが、内視鏡治療後のほぼ100%の患者さんで食道狭窄の内視鏡的治療に成功しています(図)。この成績の中で、バルーン拡張で効果がなかったものは、狭窄を繰り返すなどの理由でまれに外科的治療が行うことがあります。
食道狭窄拡張術に伴う危険性(リスク)・合併症について
狭窄を解除する研究と開発の進歩により、出血や穿孔の頻度は減りより安全・確実に処置ができるようになりました。内視鏡を用いて様々な処置を行えるようになったために、検査の回数も少なくて済むようになり、治療に要する時間も以前より短縮されるようになりました。最近では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後に起こる狭窄を予防するため、早い時期からバルーン拡張術を行って狭窄が起こりにくくするような方法も取られています。
このように、医療の進歩と共に安全性の向上と身体的な負担の軽減が図られていますが、偶発症を全くゼロにすることは難しいのが現状です。