これまで前立腺肥大症(BPH)は、主に薬による治療または手術療法(開腹手術や、内視鏡を用いて尿道から電気メスを挿入して行う経尿道的前立腺切除術(TURP))によって治療されてきました。しかし現在では、特殊なレーザ装置を用いた低侵襲な手術療法が可能になっています。

ここでは、そのうちの一つ、新しい治療法であるGreenLightレーザ療法(PVP)をご紹介いたします。

前立腺について

前立腺は、男性の膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいる分泌腺です。尿道は、膀胱から陰茎に尿を運ぶための管で、尿路とも呼ばれます。前立腺の主な働きは、射精時に精子を運ぶ精液を作ることです。

前立腺肥大症(BPH)について

前立腺肥大症とは、良性の肥大であり、がんではありません。前立腺は通常、十代でクルミくらいの大きさまで成長します。中年期にさしかかると、前立腺が再び成長(肥大)を始めることがありますが、この理由は明らかになっていません。男性の約80%が、80 歳になるまでに前立腺肥大症を発症すると言われており、その症状は、多くの高齢者にみられます。

前立腺肥大症の症状について

肥大した前立腺は尿道を圧迫します。尿道が圧迫され狭くなると、尿の流れが妨げられ、以下のような症状を引き起こします。

  • 頻繁に尿意をもよおす、特に夜間(夜間頻尿)
  • 尿の出が弱い
  • 急に尿意をもよおす(尿意切迫)
  • 尿を出したり、止めたりするのが困難(排尿躊躇)
  • 膀胱内の尿をすべて排出できない(残尿)
  • 排尿時にいきむ必要がある
  • 排尿時に痛みを伴う

症状の重症度について

国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score:IPSS)は、患者さんおよび担当医が、前立腺肥大症の症状の重症度を判断する際に役立つ指標です。
IPSS の表でチェックすれば、ご自身の症状の重症度をある程度評価できます。各項目で該当するスコアを合計すると「症状スコアの合計(Total Symptom Score)」が計算できます。

国際前立腺症状スコア(IPSS)