2023-3-1

世界初、腎内圧モニタリング可能次世代デジタル軟性尿管鏡
「リソビュー™エリートシステム」を日本にて新発売
~腎内圧のリアルタイムモニタリングで、経尿道的結石破砕術時の臨床判断をサポート~

ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:森川 智之)は、2023年3月1日、リソビュー™エリートシステムの販売を開始します。この製品は上部尿路結石手術時にリアルタイムで腎内圧をモニタリングできる世界初のデジタル軟性尿管鏡です。
腎結石は一般的であり患者数は増加しており1、10人に1人が腎結石を発症するという調査結果もあります2。その治療において一般的には尿管鏡手術が実施されますが、手術時、クリアな視野を確保するために使用する還流により、腎内圧(IRP)が上昇することがあります。IRPの上昇は、全身性炎症反応症候群、敗血症、腎障害など、一連の術後合併症の一因との報告があります3,4。この問題に着目しリソビュー™エリートが開発されました。その先端には圧力センサーが内蔵されています。泌尿器科医はその圧力センサーでモニタリングした情報に基づき臨床的判断を行うことができます。
本製品は2022年12月22日に薬事承認を受け、2023年3月1日より保険適用を受けました。

(販売名: リソビュー™エリート、医療機器承認番号: 30400BZX00300000)

ブリティッシュ・コロンビア大学准教授Ben Chew医学博士(M.Sc.)は、「複数の試験で、尿管鏡手術時に腎内圧を把握することが合併症を低減するために重要だと論じられていますが、今まで泌尿器科医には、リアルタイムで腎内圧を測定できる簡便な方法はありませんでした」と述べています5。また「このため、リソビュー™エリートシステムは重要な進歩と言え、患者さんのケアの向上に役立ちます。」とも語っています。 リソビューエリートは現在販売しているリソビュー™の多くの機能をベースに、新たに圧力センサーを内蔵しています。

リソビュー™エリートシステムの特徴

  • 尿管鏡手術時に腎内圧測定ができる唯一無二のデバイス。腎内圧を経時的に測定し調整しながら手術ができるため、術者の臨床的判断をサポート
  • 高画素と1LED光源に最適なソフトウェア調整を行い、現行品に比べ画像がクリア、奥行きの見える術野を提供
  • コンソールを院内内視鏡タワーと接続、オペ室の省スペースを実現し、内視鏡にあるボタンで録画/撮影が可能、手術時の指示出しのストレスを緩和し、時間を削減することによる効率の改善
尚、圧力センサー無しの軟性尿管鏡も同時販売します(他の特徴は全て圧センサー付きと同等)。

ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社 代表取締役社長 森川智之は「2016年当社は世界初の単回使用のデジタル軟性腎盂尿管鏡、リソビュー™を販売開始、安心・安全な手術を完遂できるように製品開発・改良を続けてきました。そして、この度世界初の腎盂内圧リアルタイムモニタリング機能を搭載した次世代デジタル軟性腎盂尿管鏡リソビュー™エリートシステムを新発売します。本製品は、シングルユース画像診断製品ラインアップに加わる最新のデバイスで、患者さんの治療を向上し、尿管鏡に関連する感染のリスクを抑えるため、医師のフィードバックやニーズを取り入れて開発されました。進化する泌尿器科医の理想を追い求め、泌尿器科医の目指す結石治療の実現に貢献したいと考えています。」と語っています。リソビュー™エリートシステムは、ボストン・サイエンティフィック社の次世代StoneSmart™コンセプトのプラットフォームとなる初の製品です。
*最適な結石治療のために将来的なデバイスとの拡張性をサポートする包括的プラットフォーム


尿路結石症とは

尿路結石症とは、尿路(腎臓から尿道までの尿の通り道)に、結石(尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・リン酸・尿酸などが結晶化したもの)ができる病気です。結石のできる位置によって、腎結石(腎臓内にある結石) 、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれます。特に、「尿管結石」は人生で味わう3大激痛と言われるほどの非常に激しい痛みが伴います。結石が尿管に詰まり尿が流れなくなったり、逆流したりした尿が尿管や腎臓を圧迫することにより、痛みが生じると考えられています。
 
 

<ボストン・サイエンティフィックについて>

ボストン・サイエンティフィックは世界中の患者さんの健康を向上させる革新的なメディカルソリューションにより生活を改善しています。40年超、グローバルな医療テクノロジーのリーダーとして、患者さんの満たされていないニーズに対応し、ヘルスケアのコストを削減するパフォーマンスの高い広範なソリューションを提供して、生活のためのテクノロジーを発展させています。日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていきます。
企業サイト:https://www.bostonscientific.jp
 
 
参考文献
1. U.S. Department of Health and Human Services. Chapter 9: Urinary tract stones. In: Litwin MS, Saigal CS, eds. Urologic diseases in America. www.niddk.nih.gov (PDF, 0.39 MB) . Published 2012. Accessed September 26, 2016.
2. National Kidney Foundation. Kidney Stones. Available at: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneystones. Accessed July 2022.
3. Tokas T, Herrmann TRW, Skolarikos A, et al. Pressure matters: intrarenal pressures during normal and pathological conditions, and impact of increased values to renal physiology. World J Urol. 2019 Jan;37(1):125-31.
4. Proietti S, Dragos L, Somani B, et al. In vitro comparison of maximum pressure developed by irrigation systems in a kidney model. J Endourol. 2017 May;31(5):522-7.
5. Dr. Ben Chew is a paid consultant of Boston Scientific Corporation. He has not been compensated for his quote within this press release.