2019-2-22
2 月22 日付で発信しましたプレスリリースの本文中、記載内容の一部に誤りがあり、以下の通り訂正しております。
(誤)WATCHMAN™は、2,000 名以上を対象とした PROTECT AF 試験およびPREVAIL試験の2件のランダム化臨床試験により、ワルファリンと比較して出血性脳卒中リスク低減に加えて、長期的な出血性イベントの低減が確認されました。
(正)WATCHMAN™は、2,000 名以上を対象とした複数の臨床試験で評価されております。1,114 名を対象とした PROTECT AF 試験およびPREVAIL 試験の2件のランダム化臨床試験により、ワルファリンと比較して出血性脳卒中リスク低減に加えて、長期的な出血性イベントの低減が確認されました。
また、当該段落で、2 つの臨床試験に関する出典を追記しております。
本邦初1 非弁膜症性心房細動による脳卒中を予防する左心耳閉鎖システム 「WATCHMAN™左心耳閉鎖システム」薬事承認取得
~血栓形成に起因する左心耳を閉鎖する新しいアプローチにより1回限りの手技で予防を可能に~
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:内木祐介)は、本邦初となる左心耳閉鎖システム「WATCHMAN™左心耳閉鎖システム」について、2019年2月21日付で厚生労働省より、薬事承認を取得したことを発表いたしました。本製品は、非弁膜症性心房細動による血栓の形成に起因する心臓の左心房にある「左心耳」を閉鎖し、脳卒中を予防する医療機器であり、非弁膜症性心房細動の患者さんのうち、長期間の抗凝固薬の服用ができない患者さんに対して、1回限りの手技で心房細動による脳卒中を予防するという新しい治療の選択肢を提供いたします。
販売名:WATCHMAN左心耳閉鎖システム(医療機器承認番号:23100BZX00049000)
心房細動により、心臓にできた血栓が原因となる心原性の脳卒中の場合、血栓形成の約9割が左心房にある「左心耳」に起因するといわれています。WATCHMANは、開心術をする必要がなく、鼠径部の静脈から細い管(カテーテル)を通して心臓に挿入され、左心耳を閉鎖するデバイスです。500円硬貨ほどのサイズで、左心耳を塞ぐように設計されており、留置後、WATCHMANを覆うように内皮化が進み、左心耳が永久的に閉鎖されることによって脳卒中のリスクを低減します。また、出血リスクを伴うワルファリンの服用を中止できる可能性があります。
東邦大学医療センター大橋病院の循環器内科准教授 原英彦先生は、「高齢化社会の中、心房細動の患者数は増加傾向にあります。この心房細動による脳卒中が要介護状態を引き起こすリスクも高いことから、長期間の抗凝固薬が推奨されてきました。
しかし実際には服用できない患者さんも多く、そういった場合に、より有効で安全な治療法が待ち望まれていました。抗凝固療法では長期にわたる服薬のため出血リスクの懸念がありましたが、WATCHMANは血栓が形成される『左心耳』を閉鎖し、1回限りの手技で心房細動による脳卒中の予防を行う画期的な治療方法です。疾患に悩みながらもアクティブに生活を送りたい患者さんも多く、安全性や有効性の向上と共に、患者さんの負担を減らし、QOLを向上させることも期待できます」とコメントされています。
■臨床試験の結果について
WATCHMAN™は、2,000名以上を対象とした複数の臨床試験で評価されております。1,114名を対象としたPROTECT-AF試験およびPREVAIL試験の2件のランダム化臨床試験により、ワルファリンと比較して出血性脳卒中リスク低減に加えて、長期的な出血性イベントの低減が確認されました。ワルファリンとの比較において、心血管死/原因不明の死亡は52%低減(p=0.006)2、手技6ヶ月以降の大出血は72%低減(p<0.001)3、出血性脳卒中は78%低減(p=0.004)2という結果となりました。また、PROTECT-AF試験およびPREVAIL試験のメタ解析によって、WATCHMAN留置期間が長いほど、出血性イベントが低減すると共に、WATCHMAN群はワルファリン群に比べて手技6ヵ月後の大出血が72%少ないことが確認されました(1.0対3.5、P<0.001)3。
また、42名の日本人を対象としたSALUTE試験においても、有効性に関して脳卒中、全身性塞栓症、心血管死の発現率、安全性に関して周術期の重篤な合併症の発現率を評価し、それぞれの主要評価項目が確認されると共に、全患者さんでワルファリンの服用が中止される結果となりました。手技から1年後の経過を調べた試験結果は、2019年3月に開催される日本循環器学会で発表される予定です。
左心房壁との接触を回避し、 左心房への合併症リスクを低減させると共に、表面は左心房に面する表面積を最小限に抑え、留置後の血栓形成を低減させるようデザインされています。また、10個のアンカーにより、左心耳の組織に固着して安定させます。
②塞栓を防ぐポリエチレンテレフタレート(PET)フィルターとナイチノール製フレーム
おおよそ200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルターを用い、塞栓を防ぎ、被膜生成を促進させます。また、フレームは左心耳に特有の解剖学的構造に適合し、 デバイス塞栓リスクを低減させます。
閉鎖デバイスが予め装填されたデリバリーシステムで、手技の準備時間を短縮します。また、1ステップで閉鎖デバイスを展開できるように設計され、デバイスの位置修正や再収納、再留置も可能です。柔軟なコアワイヤを用い、閉鎖デバイスが展開した後には自然な位置に留置されます。
■心房細動について
心房細動は、心臓の中で血液が流れ込む心房が細かく震えることで起こる不整脈の1つで、血液がよどみ形成された血栓が移動することで、脳卒中を引き起こすリスクがある疾患です。特に高齢者で罹患のリスクが高く、高齢化に伴い、患者数は2010年の約80万人から、20年後の2030年 には100万人に増加するといわれています4。心房細動がある人は、心房細動がない人と比べると、脳卒中リスクが5倍高く、心房細動のある患者さんの約3分の1が脳卒中を発症するといわれています。脳卒中は、寝たきりの原因の1位、認知症の原因の2位にあげられ5、要介護となるリスクも高いことから、脳卒中の発症を抑制するための治療が重要になっています。これまで、薬物療法として、抗凝固薬により血栓形成を予防していましたが、出血リスクが高まるという課題もありました。
(出典)
- 2019年2月22日現在
- Left Atrial Appendage Closure as an Alternative to Warfarin for Stroke Prevention in Atrial Fibrillation
- Bleeding Outcomes After Left Atrial Appendage Closure Compared With Long-Term Warfarin
- 国立循環器病研究センターウェブサイトより
- 日本脳卒中協会ウェブサイトより
ボストン・サイエンティフィックについて
ボストン・サイエンティフィックは、低侵襲治療(インターベンション)に特化した医療機器メーカーとして、1979年に米国で誕生しました。現在の取扱製品は13,000種以上であり、グローバルで約29,000名の従業員、13ヵ所の製造拠点を擁し、125ヵ国近くのマーケットで確固たる地位を誇る世界最大級の医療機器メーカーとして、医療テクノロジーをリードし続けています。
世界第2位の医療機器市場である日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていきます。
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