2018-4-9
ボストン・サイエンティフィック、ネクステラ社(Nxthera)買収合意を発表
前立腺肥大症患者向け低侵襲治療選択肢のポートフォリオが拡大
ボストン・サイエンティフィック(本社:マサチューセッツ州マールボロ、NY証券取引所略号:BSX)は2018年3月21日、米国ミネソタ州メープルグローブに本社を置く株式非公開企業、ネクステラ社(NxThera)を買収する正式契約を締結したことを発表しました。男性特有の疾患である前立腺肥大症(BPH)に対する治療法が増える中、NxThera社は低侵襲治療の「Rezūm®システム」を開発し、米国・欧州で商品化した会社です。買収金額の内訳は、3億600万ドルを前払金で支払い、今後4年に一定の経営目標(マイルストーン)を達成した場合に最大1億ドルを追加で支払う構成になっています。ただし、ボストン・サイエンティフック社はすでに少数株主としてネクステラ社に一部出資しているため、この持分を相殺すると、実際に支出する正味買収金額は、前払金が約2億4,000万ドル、マイルストーン分が最大8,500万ドルになると予想されます。
BPHとは前立腺が肥大して痛みや頻尿などが生じ1,2、患者のQOLに影響するおそれのある症状で、加齢とともに発生率が高くなります。現在世界に約1億1,000万人がこれを患い、米国だけでも1,200万人以上が投薬治療や手術治療を受けています3,4。
Rezūm®システムによる治療は通常病院の診察室内で行われるのが一般的です。全身麻酔は行わず、水蒸気を使用して過剰な前立腺組織を除去し、尿流閉塞を軽減し、前立腺肥大症に伴う症状を和らげる、という方法が用いられます。米国泌尿器学会誌(Journal of Urology)3月号掲載の研究結果によると、投薬治療を毎日かつ長期間行った患者に比べて、Rezūm®システムで治療を受けた患者は、術後3年間の臨床的疾患進行速度が5倍低くなることが明らかになっています5。さらに、別の無作為化比較試験データによると、Rezūm®システムで治療を受けた患者は、前立腺肥大症の症状発生率が術後24カ月の比較で51%、術後3年の比較で50%低くなることが明らかになっています5,6,7。
ボストン・サイエンティフック社シニア・バイスプレジデント兼ウロロジー&ペルビックヘルス社長のディビット・ピアースは次のように述べています。「Rezūm®システムは前立腺肥大症の男性患者にとって革新的な治療法です。低侵襲治療によって、維持的投薬治療に伴う費用も削減でき、副作用も軽減できます。他のBPH低侵襲治療と比較しても治療時間が短縮し、症状改善効果も長続きします。」
症状性BPH患者に対しては、通常は最初に投薬治療が行われます。これらの薬からは吐き気、目まい、性機能障害などの副作用が生じる場合があります8。前立腺の肥大が進むと、外科手術を行う場合があり、その結果、腹圧性尿失禁や勃起機能不全などの症状が悪化する場合があります。一方、Rezūm®システムを使用した場合、前立腺肥大症の症状緩和に加えて、性機能も維持されることが臨床研究で明らかになっています9。本システムは米国食品医薬品局の承認を2015年に取得し、CEマークも取得しています。これまで2万人以上の患者がRezūm®システムで治療を受けています。
NxThera社社長兼最高経営責任者(CEO)のボブ・ポールソン氏は次のように述べています。
「ボストン・サイエンティフック社との合意発表を嬉しく思っています。同社が泌尿器科の領域で持つ強力なリーダーシップにより、Rezūm®システムの発展がより一層促進され、より多くの男性がこの治療選択肢を利用できるようになるはずです。」
ボストン・サイエンティフック社のウロロジー&ペルビックヘルス事業部のポートフォリオには、男女の泌尿器科・婦人科領域の幅広い治療選択肢が含まれています。今回の買収取引完了後、ボストン・サイエンティフック社の前立腺肥大症用レーザ治療システム製品群にこのRezūm®システムが加わることになります。現在、同製品群には、Greenlight XPSTMレーザ治療システムやホルミウム・プラットフォームなどが含まれています。
ネクステラ社買収後、ボストン・サイエンティフック社の調整後1株当たり利益への影響は2020年までほとんど生じず、2020年後は増加効果になる見込みです。買収取引に伴って償却費と経営統合費用がかかりますので、GAAPベースの1株当たり利益は希薄化される(又は場合により増加分が減少する)見込みが大きいです。通常の完了条件を条件に、本件の買収取引は2018年第2四半期中に完了する見込みです。
(このプレスリリースは、2018年3月21日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。)
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1. https://www.healthline.com/health/enlarged-prostate#symptoms
2. https://www.physiciansweekly.com/tag/benign-prostatic-hyperplasia/
3. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6206240
4. Dymdex Consulting, BPH Market Report, 2013
5. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022534718424007?via%3Dihub
6. https://www.jurology.com/article/S0022-5347(16)31982-6/fulltext
7. https://www.goldjournal.net/article/S0090-4295(17)31155-X/pdf
8. https://www.webmd.com/men/prostate-enlargement-bph/enlarged-prostate-types-medication-that-work#1