2016-01-12
ボストン・サイエンティフィック、合併症リスクの低減や治療期間の短縮化に期待
薬剤溶出型ステント(DES)「シナジー ステントシステム」を新発売
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:内木祐介)はこの度、狭心症などの循環器疾患を治療する、薬剤溶出型ステント(DES)「シナジー ステントシステム」を新発売いたしました。
循環器疾患は日本人の三大疾病の一つで、高齢化に伴い、複数の疾病を併発した患者さんの増加が見込まれています。このため、循環器疾患患者さんの全身管理を考え、長期にわたり安心して、日常生活を送るための新たな治療選択肢の提供や、より身体への負担の少ない治療方法が求められています。
ステント治療は、細くなった冠動脈内に植込まれることで、血流を確保し、胸の痛みを軽減する治療方法として、十分な実績を重ねてきました。特に、DESはステントに塗布された薬剤を一定期間放出することで、留置後に再び血管が狭くなる「再狭窄」を予防する治療手段としての有効性を実証してきました。
しかしながら、DES治療においては、体内に留置後、一定期間の後にステント内で血栓が詰まってしまうステント血栓症の発症が治療上の課題としてあげられていました。この予防策として、抗血小板剤の二剤併用療法(DAPT)を一定期間継続することが推奨されています。ただ、DAPTの投与期間が長くなる場合、出血イベントの増加などのリスクを伴うことから、期間の短縮が求められています。
この度、新発売した「シナジー ステントシステム」は、ステントの厚さを74μmにまで薄く設計されています。また、DESの薬剤の放出を一定に保つ役割を果たすポリマを血管の壁側に接する部分にのみ塗布する「Abluminalコーティング」によって、ステントが血管の壁に覆われる内皮化を早期に実現しました。このポリマは留置後、4か月が経過すると、体内で消失する生体吸収ポリマを採用しています。
このように、「シナジー ステントシステム」は「薄さ」や「速さ」といった特徴により、従来のDES治療の課題となっていた、ステント血栓症リスクのさらなる低減の可能性がある、より安全性を求めた製品です。患者さんに対しては予後の改善やQOLの向上を目指し、医療従事者にとっては専用開発したプラチナ合金により薄いストラットデザインでも高い視認性が得られ、正確で安全なステント治療を支援します。
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社は医療機器の開発・販売を通じて、循環器疾患治療の課題解決に取り組み、治療の向上に寄与してきました。この度、発売した「シナジー ステントシステム」は、これまで培ってきた技術と知恵を結集した新製品です。
“患者さんの人生を実り多いものにする”-。その思いを胸に、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社はこれからも患者さん、医療従事者の皆様と共に歩み続けて参ります。
「シナジー ステントシステム」の新発売にあたって
湘南鎌倉総合病院 副院長・循環器科部長
齋藤滋先生
生体吸収ポリマの搭載による、ステント留置後の内皮化促進効果を期待しています。ステントが健全な内皮に覆われることで、VLSTのリスクを低減できることは、何よりも患者さんの負担軽減につながると考えています。引き続き、医療機器を使用する側の医師と患者さんのベネフィットを追求するボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社の製品開発姿勢に期待したいと思います。
東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科教授
日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)理事長
中村正人先生
国内における循環器疾患のステント治療の経緯を振り返ると、まさに再狭窄の低減に挑戦し続けた歴史でした。DESの導入により、再狭窄の発症率は低減しつつありますが、その一方でVLSTの課題は残されています。この解決の一手としてのシナジー ステントシステムの役割は大きく、冠動脈形成術などの長期成績をさらに一歩、向上させるデバイスとして期待しています。
承認番号:22700BZX00372000
販売名: シナジー ステントシステム
<ボストン・サイエンティフィック>
<ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社>
https://www.bostonscientific.jp
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