2014-07-28


臨床試験結果が、パーキンソン病患者に用いるVERCISE™脳深部刺激(DBS)装置治療の優位性を実証

(このプレスリリースは、2014年6月10日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。当該製品は、2014年6月10日時点で日本において未承認品です。)

国際パーキンソン病・運動障害疾患学会年次集会においてデータが発表され、 パーキンソン病治療の優れた治療域を実証

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2014年6月10日)、新たな臨床試験により、パーキンソン病の治療に用いるVERCISE™ 脳深部刺激(DBS)装置の独特かつ革新的な能力において、治療上の優位性を実証したと発表しました。CUSTOM-DBS臨床試験では、従来のパルスを用いたDBS治療より短い刺激パルスを用いた治療の方が、臨床的優位性をもたらす可能性があると実証しました。Vercise DBSシステムは、より短いパルス幅を設定して刺激パルスを発生させることが可能な、唯一市販されているプラットフォームです。

CUSTOM-DBS試験の結果は、スウェーデンのストックホルムで開催された第18回国際パーキンソン病・運動障害疾患学会年次集会において、ドイツのヴュルツブルク大学病院(Universitätsklinikum: University Hospital of Würzburg)神経学科の教授であり、この試験の主任治験責任医師であるイェンス・フォルクマン(Jens Volkmann)教授によって発表されました。ボストン・サイエンティフィック社のCUSTOM-DBS試験は、無作為化多施設共同二重盲検試験で、パーキンソン病患者さんに対するVercise DBSシステムの臨床上の優位性を評価しています。以前にボストン・サイエンティフィック社のVercise DBSシステムの植込みを行った15名の患者さんをプログラムに組み込み、パルス幅のテストと調整をしながら評価を行いました。

短いパルス幅でのDBS刺激によって、より広い治療域が得られることが実証されており、刺激によって生じる副作用を回避する優位性があると思われます。治療域とは、副作用を生じることなく効果的な治療ができる電流の領域を意味します。

CUSTOM-DBS試験では、患者さんに植込まれたDBSに、従来の設定よりも短い電気パルスで刺激を与えました。2つの設定を比較するため、刺激の有効性は標準的なパーキンソン病のUPDRS IIIスコア評価を用いて評価されました1。また、有効性と副作用が生じる閾値を計測しました。この比較は無作為化二重盲検法を用いており、より短いパルス幅など脳深部刺激の設定を特定して臨床優位性に関するレベル1エビデンスを提供した最初の研究のひとつとなりました。

「最適なDBS治療を行う鍵となるのは、第一に的確な標的を見つけること、そして次に副作用を最低限に抑えて患者さんのパーキンソン病の症状を最適に制御する、広い治療域をもたらす電極を見極めることです。そのため、今回の結果が得られて本当に嬉しく思います」とフォルクマン教授は述べています。「Verciseシステムに、より短いパルス幅を設定すると、最適な治療効果を得るまでに必要な電気エネルギーが少なくて済むため、エネルギーの効率という点でも優位性があることを示唆しています」とも述べています。

Vercise DBSシステムは、電極ごとに個別の電流制御ができる初のDBS装置で、パーキンソン病患者さんの精密な神経の標的決めや、刺激治療の正確な制御が可能になっています。

「このCUSTOM-DBS試験では、Vercise DBSシステムは新たな刺激アプローチによって患者さんにより良い転帰をもたらすという点で他のテクノロジーとは一線を画するものだということが、明らかになりました」と、ボストン・サイエンティフィック社のニューロモジュレーション事業部社長のモーリック・ナナバティは述べています。「私たちの臨床プログラムは、意義のあるイノベーションと説得力ある結果を実証する臨床的根拠によって患者さんに進化した治療法を提供するという、ボストン・サイエンティフィック社の責務を表すものです」とも述べています。

DBSはパーキンソン病の症状を軽減するための外科的治療です。電気信号を用いて脳の特定部位を刺激する装置の植込みを行います。DBSは一般的に、パーキンソン病の症状がこれ以上投薬療法では制御できない患者さんに用いられます。パーキンソン病は、進行性の神経変性疾患であり、全世界で630万人が罹患していると推計されています2

ボストン・サイエンティフィック社は、植込み型DBSテクノロジーのイノベーションリーダーです。Vercise DBS装置は、CEマークおよびTGA(オーストラリア保健省薬品・医薬品行政局)の承認を取得し、欧州、イスラエル、オーストラリアおよびラテンアメリカの一部の国でパーキンソン病の治療用に販売されています。また、難治性の一次性ジストニアおよび二次性ジストニアに対するCEマーク承認を取得しています。

米国では、Vercise DBS装置は研究段階であるため、市販はされていません。INTREPID臨床試験は、2013年半ばに米国で症例登録を開始しており、パーキンソン病治療にVercise DBS装置を使用した場合の安全性と有効性を評価しています。

1. パーキンソン病統一スケール パートIII(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale part III; UPDRS III)

2. https://www.epda.eu.com/en/parkinsons/in-depth/parkinsonsdisease/
 

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