2014-04-02
2014年米国心臓病学会において、両室ペーシング療法テクノロジー、プラチナ・クロム合金製ステントおよびLOTUS™大動脈弁システムに関する主要データを報告
上記およびその他の試験により、心血管疾患を抱える患者さんのケアを改善するための革新的な治療法を開発するというグローバルな責務を強化
ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2014年4月1日)、心疾患や心血管疾患を抱える患者さんに新たな治療法を提供する世界的な担い手としての立場を強化し、両室ペーシング療法、プラチナ・クロム合金製ステントおよび経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)に関連した試験において、好ましい結果が得られたことを報告しました。
ボストン・サイエンティフィック社は、3月29〜31日にワシントンD.C.で開催された第63回米国心臓病学会年次科学会議で、およそ12件の心臓病学に関連した臨床試験について新たなデータを発表しました。
軽度の心疾患患者は、ボストン・サイエンティフィック社の両室ペーシング機能付き植込み型除細動器の使用で死亡率が低下
軽度の心疾患患者さんの両室ペーシング機能付き植込み型除細動器の使用をこれまで追跡した最も長期にわたるフォローアップにおいて、ボストン・サイエンティフィック社は、ランドマーク試験である「MADIT-CRT」(心再同期療法による多施設共同自動除細動器埋め込み試験:Multicenter Automatic Defibrillator Implantation Trial with Cardiac Resynchronization Therapy)を継続的に分析したところ、前述の集団において、有意かつ持続的な生存利益が示されたという重要所見を発表しました。イスラエル、テルハショメールにあるシバ医療センターのLeviev心臓病センター循環器内科部長であるIlan Goldenberg医師が発表したこの長期にわたる観察結果によると、ボストン・サイエンティフィック社の両室ペーシング機能付き植込み型除細動器の植込みを行った患者さんは、除細動器のみの植込みを行った患者さんに比べ、死亡リスクが41%低下したことが明らかになりました。死亡率低下に加え、この試験結果では、CRTを受けていない患者さんと比べると、初回の心不全イベントを経験するリスクが62%低下したことが示されています。
MADIT-CRT試験は、軽度の心疾患患者さんにおける、従来の植込み型除細動器(ICD: implantable cardioverter defibrillators)療法とCRT-D療法とを比較しています。1,691名の患者さんを対象としたこの世界的な多施設共同試験において、CRT療法を受けた患者さんは7年目に80%以上が生存していました。ボストン・サイエンティフィック社は、業界でも最も優れているとされる最長8年のバッテリー寿命を有するCRT除細動器(CRT-D)を開発したことで、患者さんの生存期間の延長を可能にしました。ボストン・サイエンティフィック社の長寿命CRT-Dデバイスにより、心疾患を抱える患者さんが何度もデバイスの植込みを行う必要が減り、最終的には医療費の削減につながりました。
「患者さんや担当医師らは、CRT-D療法を受けた心疾患患者さんの死亡率が低下したことに勇気づけられることでしょう」と、ボストン・サイエンティフィック社のカーディアック・リズム・マネジメント事業部チーフ・メディカル・オフィサーのケネス・スタイン医学博士は述べました。「この患者集団の平均寿命は、ボストン・サイエンティフィックがさらに寿命の長いバッテリー技術を開発する必要性があることを強調しています。その実現により、デバイスの植込みを繰り返す必要性が最小限に抑えられ、患者さんのリスクを減らすことができ、結果的に世界的な医療制度のコストを抑えることができます」とも述べています。
ボストン・サイエンティフィック社のプラチナ・クロム合金製冠動脈ステントプラットフォームの使用により、4年間にわたるイベント発生率の低下を実証
ボストン・サイエンティフィック社は薬剤溶出型ステント(DES)テクノロジーの設計にリーダーシップを発揮し、プラチナ・クロム合金製ステントの利点を一層強固にする新たなデータを発表しました。
PLATINUM Workhorse臨床試験のデータは、米国心臓病学会正会員(F.A.C.C.)およびオハイオ州シンシナティのキリスト病院心臓血管センター(Christ Hospital Heart and Vascular Center)医長であるDean Kereiakes医学博士により発表されました。
この試験では、ボストン・サイエンティフィック社のプラチナ・クロム合金製エベロリムス溶出型ステント(PtCr EES)とアボット社研究所のコバルト・クロム合金製エベロリムス溶出型ステント(CoCr EES)とを比較しました。その結果、長期にわたる優れた性能が確認されたPtCr EESの方が、4年目のイベント発生率が低いことが示されました。またPtCr EESには、4年間にわたりCoCr EESを上回る優越性が認められました。
重要所見は以下の通りです。
- PtCr EESは、4年間の標的病変の再血行再建術(TLR)の発生率が、CoCr EESよりも23%低下しました(4.6%対5.9%、p=0.24)。米国食品医薬品局(FDA)が行ったDESに関するどの試験よりも、4年目のTLR発生率が低い結果となりました。
- PtCr EESおよびCoCr EESのどちらにおいても、4年後まで0.7%という低いステント血栓症(ARC定義でdefiniteまたはprobable)の発生率が示されました。
- 試験では、PtCr EESの計画外(ベイルアウトまたは緊急時)のステント留置術がCoCr EESと比べ、有意に低下した(5.9%対9.8%、p=0.004)という既報についても確認しました。また、ステント留置の不成功率も有意に低下しました(1.4%対3.4%、p=0.01)。
こうした臨床観察は、非臨床試験および前臨床試験を比較した結果を支持するものとなっています。この比較では、CoCr EESに対し、PtCr EESの高い視認性およびデリバリー性能を実証しました。ステントのベイルアウト措置の減少も、処置ごとのコスト削減につながります。
「ステントメタルの合金組成やプラットフォームのデザインが、後の臨床転帰に影響を及ぼすかどうかという質問は非常に重要です」とKereiakes医学博士は述べました。「このデータから、プラチナ・クロム合金製プラットフォームの優れた柔軟性とコンフォーマビリティが、コバルト・クロム合金製プラットフォームに比べ血管追従性や破損耐久性が高いことに反映されているように、非常に優れた長期の臨床転帰につながることが示唆されます」とも述べました。
プラチナ・クロム合金製Promus PREMIER™エベロリムス溶出型冠動脈ステントシステムは、先日FDAの承認を取得しました。Promus PREMIERステントシステムに関する主な安全性および有効性に関するデータは、世界的なPLATINUM臨床試験プログラム(PROMUS Element™ステントシステムについて行われた一連の臨床試験)およびNG PROMUS臨床試験から得られたものです。ステント・デリバリーシステムが向上したPromus PREMIERステントシステムは、冠動脈疾患を抱えている患者さんの治療に役立つ、より優れたパフォーマンスを医師に提供します。
ボストン・サイエンティフィック社のLotus™大動脈弁システムが優れた性能を実証
2014年ACCで発表された新たなデータによると、ボストン・サイエンティフィック社の先進的な経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)技術であるLotus™大動脈弁システムは、3ヵ月目においても素晴らしい性能を実証しました。 外科的な弁置換術はリスクが高いと診断された重篤な大動脈弁狭窄症の症状を呈する患者さんを対象にLotus™大動脈弁システムを評価したREPRISE II試験では、3ヵ月の時点で安全性および有効性について好ましい結果が実証され、患者さんの85%に弁周囲の大動脈弁逆流が生じることがありませんでした。このデータは、REPRISE II試験の治験責任医師であり、オーストラリア、メルボルン市にあるモナシュ医療センターの心臓病科部長であるイアン・メレディス教授によって発表されました。
REPRISE IIは継続中の前向き単群試験であり、オーストラリア、フランス、ドイツおよび英国の14施設において120名の患者さんの症例登録を行いました。REPRISE II試験の延長に伴い、オーストラリアおよび欧州の16施設において130名の患者さんが追加登録されることになっており、REPRISE II延長試験の登録は2014年4月に完了する予定です。
重要所見は以下の通りです。
• 独立したコアラボ評価によると、90日目で患者さんの85.4%に弁周囲の大動脈弁逆流が生じないという優れた結果となりました。さらに90日間で、すべての患者さんにおいて重篤な弁周囲の大動脈弁逆流は認められませんでした。中等度の弁周囲大動脈弁逆流が2症例(2.1%)あり、軽度の弁周囲大動脈弁逆流が12.5%の患者さんに認められました。
• 独立したコアラボ評価によると、30日目における大動脈弁の平均圧較差は11.5±5.2 mmHgであり、これは達成目標の18mmHgに比べ有意に低値(P<0.001)と、主要デバイス評価エンドポイントを達成しました。90日目における大動脈弁の平均圧較差は11.5±5.4 mmHgで、低値かつ安定した値を維持しました。
• 90日目の全死因死亡率は5%でした。
• 被験機器であるLotus大動脈弁システム以外の弁の留置、心肺バイパス術の計画外の使用、弁塞栓、バルブ・イン・バルブおよび弁異所性置換術の事例はありませんでした。
• 90日目における障害をもたらす脳卒中の発生率は2.5%でした。
オーストラリアで実施された重度の大動脈弁狭窄症の症状を呈する患者さんを対象とした前向き単群フィジビリティ試験、REPRISE Iの1年間の結果は、2013年5月に開催されたEuroPCRでメレディス教授により発表され、公表に先んじてEuroIntervention誌によりオンライン版で発表されました。データは、Lotus大動脈弁の安全性および性能が1年間維持されること、そしてどの患者さんにおいても中等度、重度の弁周囲の大動脈弁逆流が認められなかったことを実証しました。
Lotus大動脈弁システムについて
Lotus大動脈弁システムは従来製品とは異なる特性を備えた第二世代TAVRテクノロジーであり、プリロード型のステントに取り付けられた組織生体弁と、弁を送達し経皮的に留置するために使用されるカテーテル・デリバリーシステムで構成されています。このロー・プロファイルのデリバリーシステムとイントロデューサ・シースは、予測可能で正確な弁の位置決めができるよう、また人工弁の留置前であればいつでも、両方向から組織に傷をつけないよう位置を変えて再留置したり弁を回収したりすることができるように設計されています。このシステムにはまた、死亡予測因子である弁周囲の逆流発生を最小限に抑制する独自のAdaptive Seal™機能が備わっています。Lotus大動脈弁システムはCEマーク認証を取得しており、CEマーク導入国において市販されています。米国においては、Lotus大動脈弁システムは臨床試験用医療機器の扱いで、市販はされていません。
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