2013-11-15
欧州でLotus™大動脈弁システムの販売開始を発表
総合的な操作性と正確な留置を可能にする新たな経カテーテル大動脈弁留置術用デバイスをドイツの患者さんの治療に導入
ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2013年11月15日)、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の革新に大きな一歩を踏み出し、ドイツの病院においてLotus™大動脈弁システムの商業的な導入が初めて2例行われたことを発表しました。TAVIの先駆者であるゲルハルト・シューラー(Gerhard Schuler)医師とアクセル・リンケ(Axel Linke)医師の主導のもと、ドイツのライプチヒ大学病院心臓センターにおいて治療が行われました。Lotus大動脈弁システムのCEマーク取得については、2013年10月28日にサンフランシスコで開催されたトランスカテーテル心臓血管治療学会(TCT)にて発表されています。
Lotus大動脈弁システムは、外科的弁置換術のリスクが高いと考えられる重篤な大動脈弁狭窄症の症状を呈する患者さんの治療に、独自かつ効果的な治療選択肢を提供します。Lotus大動脈弁システムは、医師がTAVIを行う際、総合的な操作を可能にする第二世代のデバイスです。Lotus大動脈弁システムはウシの心膜とナイチノールのフレームからできており、中央にあるマーカーを目印に、正確な位置決めをすることができます。死亡予測因子であることが証明されている大動脈の逆流(血液の漏出)を最小限に抑えるための新たなAdaptive Seal™機能を備えています。さらに、弁の展開後、弁のリリース前の段階において回収、移動または調整することのできる、この種としては初のデバイスです。
「Lotus大動脈弁システムはデバイスの正確な配置を可能にし、Adaptive Seal機能は大動脈弁周辺の漏出の可能性を最小限に抑えてくれます」とシューラー教授は述べました。「この新技術の特性が、従来とは異なる主な点です」とも述べています。
REPRISE II試験の治験責任医師であり、モナシュ医療センター(オーストラリア、メルボルン市)の心臓病科部長であるイアン・メレディス教授は、TCTでREPRISE II臨床試験の主要エンドポイントデータを発表しました。このデータにより、120名の患者さんすべてにおいてLotus大動脈弁システムの留置が成功し、大動脈弁が正しく配置され、30日目における大動脈弁の平均圧較差と全死因死亡率という複合主要エンドポイントを達成したことが実証されました。この大動脈弁の臨床結果は見事なもので、弁の位置異常や移動または重篤な塞栓は認められず、他の弁に関する報告と一致して臨床イベント発生率が低く、30日目における弁周辺の大動脈弁逆流はごくわずかでした。
経大腿デリバリーシステムにあらかじめ備えられているLotus大動脈弁システムは、脚の小さい切開部より挿入されます。大動脈弁の病変部領域に配置されると、Lotus大動脈弁システムは制御された機械式拡張によって留置されます。これは、バルーン拡張式または自己拡張式弁とは異なるものです。
「制御された機械式拡張を用いることと、弁が早期に機能することにより、一度で弁の位置を正確に決めることが可能になります。また、必要に応じて弁を完全にまたは部分的に回収できるため、処置の最後には理想的な場所に弁を配置できるというさらなる確証が得られます」とリンケ医師は述べました。
Lotus大動脈弁システムは欧州内の特定の施設で使用でき、医師や施設が十分な訓練を受けるに伴い、導入施設も加速的に拡大していきます。弁は23 mmと27 mmのサイズがあり、大動脈弁輪のサイズが20~27 mmの患者さんの治療に用いることができます。Lotus大動脈弁システムは米国および日本で臨床試験用医療機器の扱いで、両国において市販はされていません。
「初めて商業的な導入が行われ、欧州で先端新技術を提供していく重要な第一歩を踏み出しました。Lotus大動脈弁システムは弁留置を行う医師の操作性能を向上させ、より正確で予測可能な留置ができるよう設計されています」とボストン・サイエンティフィック社のStructural Heart事業部バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネジャーであるトム・フレミングは述べました。また、「Lotus大動脈弁システムは、外科的弁置換術のリスクが高い重篤な大動脈弁疾患を有する患者さんにとって、重要な治療選択肢になると確信しています」とも述べています。Lotus大動脈弁システムの画像の閲覧およびダウンロードは こちら から。
大動脈弁疾患について
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