2012-11-06

デバイスのプログラミングにより植込み型除細動器使用患者における不適切な治療と死亡リスクが低減

(このプレスリリースは、2012年11月6日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。)

MADIT-RIT臨床試験結果を「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に本日発表

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)とロチェスター大学医療センターは2012年11月6日に、「MADIT-RIT」(不適切な治療の低減を目的とした多施設共同自動除細動器植込み試験:Multicenter Automatic Defibrillator Implantation Trial-Reduce Inappropriate Therapy)の良好な結果を発表しました。この試験では、ボストン・サイエンティフィック社の心疾患治療用デバイスであるデュアルチャンバ植込み型除細動器(ICD)または両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)のプログラミングによって、不適切な治療と死亡リスクの低減が可能であることが実証されました。MADIT-RITは、従来のプログラミングをハイレート治療群とロングデュレーション治療群という2種類の代替設定と比較する、無作為化三群比較プロスペクティブ試験です。試験は、代替プログラミングが一次予防患者における不適切な治療の発生を低減できるかどうかを決定するためにデザインされました。本結果はロサンゼルスで開催されたアメリカ心臓協会科学総会(American Heart Association Scientific Sessions)2012で発表されました。MADIT-RITの全結果は「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に2012年11月6日に発表されています。

従来のプログラミングと比較した場合、ハイレート治療群では79%、ロングデュレーション治療群では76%(両群ともにp<0.001)と、両群において有意な不適切治療の低減がみられました。

従来のプログラミングと比較して、ハイレート治療群では死亡リスクが55%という有意な低減(p=0.01)を示しました。一方、統計的に有意ではありませんが、ロングデュレーション治療群では死亡リスクが44%低減(p=0.06)しました。

「MADIT-RITでは、プログラミングによって、従来のデバイスのプログラミングと比較すると不適切な治療を顕著に低減できるとともに生存率を高められることが示されました」とボストン・サイエンティフィック社のカーディアック・リズム・マネジメント事業部の最高医療責任者であるケネス・スタイン医学博士は述べています。また「この結果は、これらのデバイスの植込みと管理を行う医師に対してすぐに臨床的意義をもたらすでしょう。過去の試験ではICDが心臓突然死の予防に非常に有効であるということが示されましたが、今回の試験では、デバイスのプログラミングを改善することで、実際により多くの生命を救うことができるとともに不要で不適切な多くの治療を回避できることが実証されました」とも述べています。

本試験では、ショック治療と抗頻拍ペーシング(ATP)治療が評価されました。ICDおよびCRT-Dデバイスは、心拍と心調律を常に監視して、非常に速い致死性の心調律に応答して電気刺激を送るようデザインされています。ショック治療は心臓を正常な調律に戻すのに高い効果があり、心室性不整脈を抱える患者さんの生命を救いうる治療法です。抗頻拍ペーシングは、いくつかの種類の速い心調律を停止させる場合に効果があります。デバイスはショックを送る前にATPを実行するようにプログラミングされている場合があり、ATPが成功すれば、電気刺激を回避することができます。

ボストン・サイエンティフィック社が単独で主催したMADIT-RIT臨床試験では、米国、欧州、カナダ、イスラエルおよび日本を含む15ヵ国における98の施設でICDまたはCRT-Dを使用している一次予防患者1,500人が評価されました。本試験は、ロチェスター大学医療センター医学教授であり、治験責任医師を務めたアーサー・J・モス医学博士の指揮の下で実施されました。

「私が治験責任医師を務めた一連のMADIT試験により、過去20年間において『ハイリスク』な心疾患を有する患者さんの生存率が向上しています」とモス博士は述べています。また「私は1,500人の患者さんにおいて実施した最新のMADIT試験について報告できることを嬉しく思っています。この試験で私たちは、不適切な心臓への電気刺激を約80%まで低減する一方で、患者さんの生存率を55%まで高めることによって、ICDの有効性を著しく向上させています。今回の試験で得られた患者さんの生命を救いうるこれらの所見により、進行性の心疾患を有する患者さんの治療を向上させるためのICDの進化に、重要な新たな章が加わるのです」とも述べています。

MADIT-RITは、ボストン・サイエンティフィック社が単独で主催するランドマーク臨床試験の一環である重要な試験です。ICDまたはCRT-Dを植込んでいる米国の患者の80%超が、ボストン・サイエンティフィック社や前身企業が主催した臨床試験によって、初めてこの治療の必要性を認識しました。ボストン・サイエンティフィック社は、過去5年間で植込み型除細動器によって世界中の75,000人の生命を救ったと推定しています。

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このような相異をもたらす要因には、将来の経済状況、競合、償還および規制の諸条件、新製品の導入、人口統計学的動向、知的所有権、訴訟、金融市況、ボストン・サイエンティフィック社および競合他社の将来的な経営上の意思決定などがあります。これらの要因すべてを正確に予測することはほとんど不可能であり、また、多くは制御できません。当社の将来的な経営に影響する可能性のある要因ならびにその他の重大なリスクに関する概要および詳細な一覧については、証券取引委員会に提出した、最新の10-K年次報告書パートI 1A項目「危険因子」を参照してください。なお、この内容は、提出済みまたは提出予定の10-Q四半期報告書パートII 1A項目「危険因子」で更新されることがあります。ボストン・サイエンティフィック社は、見込みの変更やその根拠となる事象、条件、状況の変化など、将来予測の記述に記載された内容と実際の結果が異なる可能性に影響を及ぼすような変化について、それらを反映するように将来予測に関する記述の内容を公に更新または改訂する意思および義務を一切否認します。本注意事項は本稿に記載された将来予測に関するすべての記述に適用されます。

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ボストン・サイエンティフィック社(米国マサチューセッツ州)は、最先端メディカルデバイス(医療機器)の開発・製造・販売を行うグローバル企業です。インターベンション(身体をメスで大きく切らない治療)の分野では世界最大手。
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