前立腺全摘術、前立腺肥大症、尿道狭窄治療などに伴う外尿道括約筋の機能不全による腹圧性尿失禁に起因する尿失禁に適応されています。重症では、第一選択となっており、中等症でも、精神的な負担を感じている場合は、適応とされています。
その他、尿意があること(認知症では無いこと)、指先機能に問題が無いこと、人工尿道括約筋のメカニズムを理解できることが、適応条件となっています。国内の現状では前立腺全摘に伴う尿失禁では、全摘後6ヵ月以上の経過観察を経てから適応可能かの診断が主に行われ、国内では、96%が前立腺全摘に起因する尿失禁治療に適応されており、前立腺肥大症や、外傷に伴う尿失禁でも使用されています。
適応(患者背景)
術後6ヶ月以上経過しており、保存的治療による機能改善が見込まれず、治療介入が妥当と考えられること
手術に至った原因疾患
尿失禁を有する男性患者135例が登録された研究において、人口尿道括約筋植込術を実施した最も多い要因は、前立腺全摘除術となっています。

Surgical and Patient Reported Outcomes of Artificial Urinary Sphincter Implantation: A Multicenter, Prospective, Observational Study
Y. Kaiho., et al, J of Urol 2017, 199: 245 - 250より作図