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喘息(ぜんそく)とは
喘息とはどんな病気?
喘息は、空気の通り道となる「気道」が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
喘息の人の気道は、慢性的な炎症によって粘膜がむくみ、過敏になっています。そのため、ちょっとした刺激に敏感に反応して気道が収縮し、それによって気道が狭くなって発作が起きてしまいます。
- 健康な人の気道
- 喘息の人の気道
平常時
発作時
喘息の原因とは
喘息の原因は患者さんによって様々です。成人の喘息の原因は、以下の3種類に大別できます。
- アトピー型:
環境アレルゲンと呼ばれるアレルギーを起こす原因となる特定のものに反応しておこります。
環境アレルゲンの一例
ダニ、ハウスダスト
ペット
カビ
- 非アトピー型:
環境アレルゲンに反応しないタイプで、気圧の変化や運動、汚れた空気などによっておこります。 - アスピリン喘息:
非ステロイド性抗炎症薬を使用したことが原因でおこります。
喘息の症状とは?
喘息の症状にはさまざまなものがありますが、特に夜間や早期に症状が出現しやすいのが特徴です。
ぜん鳴
呼吸の際に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする。
息切れ
体を動かしたときなどに、息がしにくいように感じる。
せき
咳き込んでなかなかおさまらない。痰が出る。
呼吸困難
突然息ができなくなる。息を吸うときよりも吐くときの方が苦しい。
胸部圧迫感
胸をおさえつけられたような感じがする。発作の前にみられる。
喘息の治療法
喘息の主な治療法として、以下の2つの選択肢があります。
薬物治療
喘息の治療薬には、発作を予防するために定期的に用いる「長期管理薬」(コントローラーとも呼ばれます)と、発作が起きてしまったときに迅速に発作を鎮めるための「発作治療薬」(リリーバーとも呼ばれます)の2種類の薬があります。
長期管理薬(コントローラー)
発作が起きないように定期的に用いる薬
吸入ステロイド薬
長時間作用性β2刺激薬(吸入薬、貼付薬)
抗アレルギー薬
テオフィリン徐放製剤
吸入抗コリン薬
注射薬(抗体薬含む)など
発作治療薬(リリーバー)
発作が起きた時にしずめる薬
短時間作用性吸入β2刺激薬など
これらの薬は、吸入薬、内服薬、貼付薬、注射薬などさまざまな形態があり、治療の目的や患者さんの好み、年齢などに応じて適切に使い分ける必要があります。
吸入薬
内服薬
貼付薬
注射薬
内視鏡治療(BT治療)
気管支サーモプラスティ(BT)は、複数の薬剤を使用しても症状が出てしまう喘息患者さんに対して、症状を緩和させる喘息治療方法です。
気管支の内側を専用の装置で温めると、喘息症状が起こりにくくなります
BTは、麻酔下で内視鏡を使って行う、体への負担の少ない治療法です。気管支の中に入れた内視鏡の先端から電極付カテーテルを出し、気管支の内側を65度に温めます。
BTを行う前の
気管支の断面
気管支の周りの筋肉が厚くなっていて、空気の通り道である気管支が狭くなりやすい状態です。
BTを行った後の
気管支の断面
気管支を温めると筋肉が薄くなり、気管支が狭くなりにくくなります。そのため、喘息症状が抑制されます。
BT治療を受けられる方
おくすり※ の治療を適切に続けても喘息症状が出る18歳以上の患者さんが対象です。
あなたがBTの対象となるかどうかは、喘息治療の専門医が判断します。主治医または喘息治療の専門医にご相談ください。
※高用量の吸入ステロイド薬および長時間作用性β2刺激薬
監修
聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科
峯下 昌道 先生
宮澤 輝臣 先生
ここで提供される情報はすべて皆様への情報提供を意図しており、医学的なアドバイスや診断に使用されるべきものではありません。
もし健康状態に関して何らかの不安があれば、医師にご相談ください。